Spellbound Dragon / 呪文縛りのドラゴン (3)(青)(赤)
クリーチャー — ドラゴン(Dragon)
飛行
呪文縛りのドラゴンが攻撃するたび、カードを1枚引き、その後カードを1枚捨てる。呪文縛りのドラゴンはターン終了時まで+X/+0の修整を受ける。Xは、その捨てたカードの点数で見たマナ・コストである。
3/5



 このドラゴンはアラーラブロックがスタンダードにあったころにも相棒だった。
忌呪の発動をモダンで復帰後発見し、私のグリクシスコントロールで最良のドラゴンだと感じたから、メインに据える事に決めた。


 呪文縛りのドラゴンをプレイして相手が取るファーストアクションはただ一つ、テキストの確認だ。
勿論当たり前の行動だ。私だって知らないカードをプレイされたらテキストを確認させてもらうし(エルドラージデッキに入っているカードの大半は意味不明なものばかりだ)、むしろ盤面に見えているカードを理解しないのは敗北に直結する。
そして、相手が知らないカードをプレイする事そのものが、アドバンテージにもなる。

呪文縛りのドラゴンのテキストは至ってシンプル。
飛行とルーターとパンプのみだ。CIPやPIGが無い分アドは確定しないし、殴られてもせいぜい5点くらうぐらいだから、このターンはまだ対処しなくてもいいだろう。
…と1ゲーム目の相手は思うだろう。ドラゴンがパワー10で殴ってくるまでは。

 パワー10というとタルモゴイフ(前回の2マナ域に書き忘れていた)が2体分、なんにせよ初期ライフの半分が飛ぶ数字だ。
相手の判断ミスは、こちらがグリクシスカラーのコントロール、もしくはクロックパーミと判断してしまった事にある。
だが実際は私のグリクシスコントロールには残酷な根本原理が入っているし、我らが指導者のプレインズウォーカー、ニコル・ボーラスも入っている。
墓地に落ちた残酷な根本原理は、ゲームが長引いてしまったら瞬唱の魔道士で無駄なく再利用でき、トドメの一撃でボーラスを捨てるのもフレイバー的にもボーラスの力を借りているようでお気に入りだ。

 私のデッキにとっての呪文縛りのドラゴンは、白青デッキのトラフトとも言える。
中盤以降に出てくる対処しないと死んでしまう理不尽なフィニッシャーだ。
トラフトと違い除去耐性は何も無いが、その分相手に更に未知の選択を迫れるとも思っている。

相手がトラフトやその他フィニッシャークラスのクリーチャーを唱えたらプレイヤーが取れる対応は本能的にかなり絞られる。打ち消すか除去するか対応策をドローやサーチで探すか、ブロッカーを用意するかだ。
除去する場合は布告を通すか全体除去で押し流すしかない。ブロッカーを用意するためには相手の除去や打ち消しを掻い潜らないといけない。
不用意に現れる6点クロックはそれぐらい対応が慌ただしくなる。

呪文縛りのドラゴンの場合上記に加え、他のクリーチャー同様の対応への保留が追加される。
見た事が無いクリーチャーだ。けどまぁいつでも除去出来るしこっちはプラン通りにゲームを進められているから、このターンは場を固めよう。
…という具合に。

言うまでもなく相手の手なりで除去を打ち込まれる時も多々ある。けれどパワー10で殴られない限り、誰もこいつの爆発力を認識出来ないんだ。(残酷な根本原理を打ってテキスト確認される時に世代差を感じてしまう)


 呪文縛りのドラゴンだけで勝てたゲームは間違いなく無かったが、呪文縛りのドラゴンがいないと勝てなかったゲームは多々あった。

プレイングとしては5ターン目フルタップの甘え、残酷な根本原理を唱えるための打ち消しへのデコイ、残酷な根本原理後のフィニッシュのための3パターンがある。

どのパターンも強烈だが、残酷な根本原理後の2回攻撃が一番多く、5ターン目に出すプランは嵌る相手なら本当にそれだけで勝ててしまう。


 呪文縛りのドラゴンは確かに他の起動能力や除去耐性、マナレシオやクロックの安定さでは劣っているかもしれない。
けれど最初に書いた通り、私のデッキには忌呪の発動が入っている。忌呪の発動のボーナスを貰いつつデッキカラーに合い、それでいて唱えるのが現実的なドラゴンとして、私は呪文縛りのドラゴンにスロットを割く事に決めた。

何よりも、殴って10点の気持ち良さは病みつきになる。


Foul-Tongue Invocation / 忌呪の発動 (2)(黒)
インスタント
忌呪の発動を唱えるための追加コストとして、あなたの手札にあるドラゴン(Dragon)・カードを1枚公開してもよい。
プレイヤー1人を対象とする。そのプレイヤーはクリーチャーを1体生け贄に捧げる。あなたが忌呪の発動を唱えた時点でドラゴン・カードを公開したかドラゴンをコントロールしていたなら、あなたは4点のライフを得る。

コメント